背カンは肩ベルトとランドセル本体をつなぐパーツなので壊れてしまうと背負えなくなってしまいます。
背カンはそういった基本的な機能を持つだけでなく、背負いやすさにも大きな影響を与えるパーツです。
それだけに破損しやすい背カンだけは避けたいですネ。
ランドセルの背カンは「動き」で分類すると、次の3種類があります。
- 固定背カン(大峽製鞄の背カンは動かない。)
- 左右が別々に動く背カン(左右非連動型。殆どのメーカーの背カン。フィットちゃんせかんやウイング背カンなど。)
- 左右が同時に動く背カン(左右連動型。セイバンの背カン。)
左右に開く背カンを使う理由
- ランドセルを背負う時、背カンが開くと、とても背負いやすい。
- 子供の体格が小さくても大きくても、その子の体格に合わせて背カンが開くので、背中にピッタリしやすい。⇒ 背負って軽いランドセル
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左右が別々に動く背カンと同時に動く背カンを比較
上と下に2種類の背カンがあります。右側の背カンがのランドセル内部に入っています。
この背カンの上のプラスティック部分にランドセルの肩ベルトが繋がるわけです。
上が左右別々に動く背カンの代表「ウイング背カン」、下が左右同時に開く唯一の背カン、セイバンの背カンです。
どちらも強度のあるプラスティックを使っています。
左右別々に動く背カン (左右非連動型) |
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左右同時に動く背カン (左右連動型) |
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左右別々に動く背カン・同時に動く背カンの背負い心地の違い!?
どちらが背負い心地に優れているか。私は「差は殆ど無い」と言い切って良いと考えています。
現状は90%以上のランドセルが左右別々に動く背カンを使っています。左右同時に開く背カンはセイバンとセイバンがOEMで作ったランドセルのみ。
それぞれの背カンがそれぞれのメリットを述べているので、特徴として理解しておきましょう。
ランドセルの背カンが肩ベルトの立ち上がりを作っている
肩ベルトの立ち上がり(弯曲)はランドセルの背カンの機能です。一部例外はあります(セイバンの天使のはねの弯曲は「天使のはね」という樹脂の機能です)。
背カンのプラスティック部分には楕円形の穴が開いており、肩ベルトがつながった金属製の三角カンが通ります。この三角カンが管の中で自由に動くとき肩ベルトは立ち上がりません。
三角カンの金属と背カンのプラスティック部分の管が楕円形をしていれば、肩ベルトの動きが制限されて立ち上がることになるのです。
ランドセルの背カンにプラスティックを使う理由と破損
ランドセルの背カンの可動部が、なぜプラスティックでできているのか不思議に思うかも知れません。
ただのプラスティックではすぐに壊れてしまうので、背カンのプラスティックは非常に強度があります。柔軟性と強度があるので、金属のように金属疲労で壊れることはありません。
最近は海外製のランドセルが少し低価格で販売されています。価格の安さは人件費の安さだけが原因となっておらず、使っているバーツの素材を粗悪なものにしている場合があります。
粗悪な例)
例えば、肩ベルトに三角カンという金属があって、背カンの管の中で回転します。上の三角カンは太い金属なので非常に丈夫ですが、外国製の場合金属に見せかけたプラスティックの場合もあるので要注意です。
よほどランドセルに詳しい人でないと、まさかと思うような粗悪なパーツに気づかない可能性があります。このことが、日本製のランドセルをすすめる理由の一つです。
粗悪な背カンを見分けるポイント
- 三角カンの材質(プラスティックはダメ)
- 三角カンの金属が太い
- プラスティック部分の薄い(首の)部分の厚みが2MM以上あると強度がある。(ただし素材の質までは分かりません。)
破損する背カンを選ばないために
ランドセルの背カンは滅多に破損するものではありません。ごく僅かなランドセル修理の中でも背カンの破損は大部分を占めるので、背カンの品質のチェックが重要です。
破損する背カンの多くは、海外製のランドセルの背カンの可能性が高い。
その海外製のランドセルに6年保証があったとしても、粗悪な背カンを使った再修理になりそうです。
購入時には次の事をチェックしてください。
- どんな場合に保証がきくのか
- 早急に対応してくれるのか
- 海外での修理ではないのか
背カンのプラスティック部分が破損すれば、背負おうことが出来なくなります。背カンの修理をするにしても、海の向こうの外国へ修理を依頼するのは大変ですし、どれぐらいの時間がかかるのか見当もつきません。
修理の手続きから完成までの煩わしさを考えても、国産が良いのではないでしょうか。